SOGOKAGUの商品として初めてグッドデザイン賞を受賞し、SOGOKAGUのベストセラーとして長年愛されてきたケイクは、おかげさまで、昨年、開発から15周年を迎えました。
ケイクシリーズ15周年記念サイトは
こちら
モールドウレタンが生み出す柔らかな曲線と温かみのある木製脚。今でこそコントラクト家具業界ではスタンダードと言えるデザインですが、ケイクの開発当初、SOGOKAGUの開発担当者には当時の時代背景やコントラクト家具のあり方を考える強い思いがありました。
耐久性とデザイン性を兼ね備えたイス
コントラクト家具、とりわけコントラクト空間で使われるイスについては、公共の場所で不特定多数の人が入れ替わり立ち替わり、長時間使用するという環境に置かれます。
当然のことながら、コントラクト家具には、そういった空間に求められる耐久性をクリアし、さらには価格の面でも採用しやすい価格が求められます。開発当初、日本のコントラクト市場においては、そういったデザイン性と耐久性を兼ね備えたスチール製のイスは多く存在していたものの、両方の条件を兼ね備えた木製イスというのは非常に少ない状況でした。木製イスになると耐久性が確保されていなかったり、デザイン的に無骨なものが多かったりというのが現状でした。
インテリアのエレメントとして、ホームユースのような優しいフォルム、かつコントラクトでも使える十分な耐久性を兼ね備えたイスを作りたい、という強い思いが、当時の開発者の中にありました。
友達のような存在感
当時の資料を見てみると、ケイクのデザインコンセプトとして、「友達のような存在感」という言葉が出てきます。
デザインの潜在的ニーズとして「メンタルケア」を挙げ、様々な体格や年齢の方が長時間利用するというコントラクト空間にありながら、家庭にいるような安らぎを感じる事のできる友達のようなイスを目指しました。デザインのモチーフとなったのは、ハンス・J・ウェグナーやアルネ・ヤコブセンらが生み出した北欧の家具でした。それら本物の良さや伝統をよく理解し、敬意を払ったうえで、現代の日本人が家庭以外の様々な場所でも日常的に北欧家具のようなエッセンスに触れられるようにしたい、そんな思いでケイクはデザインされたのです。
伝統的なハンドメイドを思わせる木製脚ですが、工業製品の良さを活かして均一でレベルの高いクオリティを保ちながらもコストを抑えることに成功しています。ファスナーには目立たないコンシールファスナーを採用し、細かなところまで気を配っています。人間工学を応用したシェルには耐久性の高いモールドウレタンを採用することで、型崩れすることなく、美しい3次曲面を実現しています。
ケイクバイオタイプの誕生
そして、2024年、ケイクは新しい局面を迎えます。ケイク Ⅱ アッシュ・バイオタイプの誕生です。
ケイクにも使われているモールドウレタンは、型崩れしにくく高い耐久性を持ち、ロングライフという意味で環境に優しい素材です。しかし、SOGOKAGUは次の世代が少しでも心地よく生活できるよう、より環境に配慮したマテリアルを模索していました。そして我々が出会った素材が「バイオポリオール」でした。モールドウレタンは「ポリオール」と「イソシアネート」という2液を混合・発泡させることで生成されますが、その原料は化石資源を使用しています。「バイオポリオール」は、化石資源であるポリオールではなく、植物由来の「ひまし油」を原料としています。植物由来の原料は、その成長過程において光合成により二酸化炭素を吸収します。それにより商品が製造され、廃棄、焼却されるまでのライフサイクル全体で捉えた時、二酸化炭素の排出量を抑制する効果があります。
「ケイクバイオタイプ」は芯材に使用されているウレタンの約27%をひまし油由来の原料に置き換えることで、日本国内でのバイオマスプラマークを取得いたしました。
開発から15年がたった今でも色褪せることのないデザインと耐久性。さらにバイオタイプを加えて、まさに次世代を代表するイスとして、ケイクは進化を続けています。