いかがでしたでしょうか?
SOGOKAGUでもイスやソファの開発をする際に、この、イスのプロトタイプを参照しています。作業をする際のイスのプロトタイプⅠ型では、座面の高さは男性で430ミリとなっていますが、SOGOKAGUでは450ミリを基本にしています。業務用の場合、基本的に靴を履いて座ることが多いこと、また日本人の平均身長が伸びていることなどを考慮しています。また、休憩に使うイスのプロトタイプⅢ型~Ⅴ型程度の場合でも座面の高さは430ミリ程度で、クッションもやや固めに設定することが多いです。これは、座面が低すぎたり、クッションが柔らかすぎて、お尻が沈み込むようなソファでは立ち上がりにくい設計になり、不特定多数の人が使うコントラクト空間の用途に合わないためです。ただし、SOGOKAGUでも
ウルクスや
ウィロウのように柔らかさを重視した商品開発も最近はするようになり、昨年発売した
ケイトのようにイスのプロトタイプⅥ型に当てはまるような、ゆったりとしたラウンジソファも最近のコントラクト空間では使われるようになりました。最近ではパブリックな空間でもホームユースのような快適性が求められ、公共空間と家庭との垣根がなくなってきていると感じます。
家具を作っている側からお話させていただくならば、イスを選ぶ際は、ショールームなどで実際に座り比べられることをおすすめします。座り比べることで、先程のイスのプロトタイプのように、見た目は似たようなイスでも実際には座り心地は全く違うということはよくあることです。イスは1日の中でも長時間座るもの。人間工学の知識を頭の片隅において、あなたに最適なイスを見つけてみてください。
参考文献:株式会社ガイアブックス発行 新装 インテリアの人間工学 / 小原二郎監修 渡辺秀俊、岩澤昭彦著