オルブは、かつてコンパクトなロビー向けアームチェアとして2005年に発売された「ヴォル」というモールドウレタンの商品をリデザインした商品です。
SOGOKAGUが得意とするモールドウレタンには、大きく分けて硬質モールドウレタンと軟質モールドウレタンの2種類があります。ヴォルは硬質モールドウレタンを芯材に使うことで、モールドウレタンならではの、その独特な丸みのあるフォルムと、包み込むような座り心地を兼ね備えたアームチェアとして、
ニカルと並び長きに渡りSOGOKAGUの定番商品となりました。オルブはそのヴォルを、硬質モールドウレタンから軟質モールドウレタンに変えることで、今のSOGOKAGUだからこそできる形状へと生まれ変わらせた商品です。
硬質から軟質へ
では、なぜ軟質モールドウレタンにする必要があったのか?それには、硬質モールドウレタンと軟質モールドウレタンの特徴に要因があります。名前の通り、硬質モールドウレタンは表面が樹脂のように硬く、そのかわりに軽くて耐衝撃性に優れるといった特徴があります。そのままでは硬いため、イスとして使う場合は硬質モールドウレタンの上からさらに柔らかいスラブウレタンを巻いて仕上げるのが一般的です。
軟質モールドウレタンは名前の通りクッション性があり柔らかいため、直接生地を張ってイスとして使うことができます。モールドウレタンは専用の型の中でウレタンの液を発泡させて形状を作るので、軟質モールドウレタンでは、自由な3次曲面、シャープなエッジを表現することができます。
SOGOKAGUでは、特に軟質モールドウレタンにおいて、いかに薄く強度をもたせるか?を最近のテーマとして開発を進めています。そこでヴォルも硬質から軟質にすることで、よりシャープなエッジを出しながら、丸みを帯びた柔らかいイスへと生まれ変わらせることに挑戦したのです。
THE PROCESS
張りの技術
そして、もう一つ、ヴォルを硬質から軟質に変えてオルブへと生まれ変わらせる事ができた要因のひとつに「張りの技術」があります。実際にオルブの写真や動画を見ていただければわかりますが、かなり丸い形状になっています。この形状がオルブの特徴でもありますが、この形状、生地を張るのはかなり難しい作業になります。真っ直ぐな面に生地を張るのとは違い、丸い面、しかも丸い面の内側に生地を張るとどうしても生地が浮いてきてしまいます。最初はこの丸い面にぴったりと生地を合わせるのが難しいため、あえてギャザーを入れたデザインなども検討しました。しかし、いかに皺にならずに、ぴったりと生地を張れるかを、縫製ラインの入れ方を工夫することで克服したのです。最終の張り形状が決まるまでの張り検証は実に10回にも及びました。
ラウンジチェアのようなアームチェア
こうしてオルブは、丸みを帯びながらエッジの部分はさらにシャープに、そして柔らかいクッション性のある商品として生み出されました。脚部のバリエーションはシンプルなスチール脚と暖かな印象の木製回転脚をご用意いたしました。少しゆとりのあるサイズ感は座った時にも窮屈にならず、ロビーやエントランススペース、カジュアルなオフィスのリフレッシュスペースなど様々な空間にお使いいただけます。
丸みを帯びた柔らかな形状ながらエッジの効いたデザインと、SOGOKAGUの張りの技術力が詰まったオルブ。ぜひショールームでご体験ください。