モールドウレタンってなに?(全3回)

-デザインと快適性の追求-Vol.1 ウレタンについて
-モールドウレタンって?
イスが作られる際の素材にもいろいろな種類があります。
木で作られたイスもあれば、金属が使われることもありますし、座面部分にはウレタンという素材がよく使われます。

一口に木と言っても無垢材や集成材、合板などさまざまな種類があるように、主に座面に使われることの多いウレタンという素材にもいくつかの種類があります。その中でも、モールドウレタンという素材はSOGOKAGUが得意とする素材です。自由な3次曲面の実現が可能な造形力や、高い耐久性、安定した寸法精度など、モールドウレタンの特性はデザインと品質に挑戦するSOGOKAGUのこだわりを実現するのに適した素材でした。
今回は、このモールドウレタンとは何か、その歴史や特徴などについてお話したいと思います。
 
-ウレタンについて
モールドウレタンというのは、ウレタンと呼ばれる素材のひとつになります。
そこでまず、ウレタンとは何かについてお話しましょう。まず、ウレタンという名称ですが、正式には「ポリウレタン樹脂」と言います。もともとこの物質は自然界には存在せず、1937年、今でも医薬品で有名なドイツのバイエル社で研究グループのリーダーを務めていたオットー・バイエル博士によって発明されました。

このウレタンという素材、深く話そうと思うとなかなか難しい話になりますので、なるべくわかりやすく解説します。まず、「ポリウレタン樹脂」という名前のとおり、大雑把に言うと樹脂の一種です。しかし、加工性が高く、原料や製造方法を調整することで柔らかいスポンジのようなものから硬いプラスチックのようなもの、また、液体としてコーティング材として使ったり、ゴムのように伸びる性質を持つ化学繊維としても使われたりします。多機能ですよね!皆さんも「ウレタンスポンジ」や「ウレタン塗装」という言葉を耳にしたり、衣類の品質表示で「ポリウレタン」という言葉を見たことがあるという方も多いのではないでしょうか?
とにかく柔軟性や耐久性、加工性の良さを活かして、幅広い分野で活躍している素材なのです。
 
-ウレタンフォームとは?
ではここで、モールドウレタンに少し近づきたいと思います。
加工性の高いポリウレタン樹脂ですが、その中でも特に加工性の高い素材に「ウレタンフォーム」があります。「フォーム」とは泡のことで、ポリウレタンの中でも発泡されたものを「ウレタンフォーム」と呼んでいます。ウレタンフォームは、生成時にガスを発生して発泡し、小さな気泡がどんどんと増え、膨らんでいきながら形作られていきます。

生成する際の材料の配合などの方法で、大きく分類すると軟質ウレタンフォームと硬質ウレタンフォームの2種類に分けられ、それぞれ特徴があります。軟質ウレタンフォームは名前の通り柔らかくて弾力性のあるポリウレタンフォームの一種で、クッション性と復元性に優れた素材です。かたや硬質ウレタンフォームは、時間が経つと硬くなり、軽量で丈夫、断熱性と防水性に優れた素材です。身近な軟質ウレタンフォームで言うと、スポンジや自動車のシート、ヨガマットなどがあり、硬質ウレタンフォームで言うと、建築や自動車のエンジンルーム内で使われる断熱材などがあります。

さて、次回は、いよいよモールドウレタンの魅力に迫ります。